実務での考え方(プロ向け)
- 光量が十分 → F8にする
- 光量がギリギリ → F5.6に下げてシャッター速度・ISOを確保
- 三脚使用・静止した集合 → F8〜F11でしっかり撮る
理由:
① 被写界深度(ピントの合う範囲)を確保するため
集合写真では、前列と後列の被写体の距離に差があるため、被写界深度が浅すぎると一部がボケてしまうことがあります。
F8〜F11に絞ることで、手前から奥までしっかりピントが合いやすくなります。
② レンズの「解像力が最も高い」スイートスポット
ほとんどのレンズでは、開放値(F2など)から2〜3段絞った値(F5.6前後)で最もシャープになります。ズームレンズはF8からF11。
そのため、F5.6〜F11は画質面でもベストです。
③ 回折による画質低下を避けるため
F16やF22などに極端に絞りすぎると、「回折」という光学現象により画質がやや甘くなることがあります。
そのため、必要以上の絞りすぎは避けて、F8〜F11程度がバランスよく適していると言えます。
実用例:
人数・配置 | 距離感 | 推奨絞り |
---|---|---|
10人以下(1列) | 比較的近距離 | F2.8〜F4 |
20人前後(2〜3列) | 中距離 | F4〜F5.6 |
大人数(体育館・屋外で数列) | 距離が広い | F5.6〜F8(推奨) |
単焦点 vs ズームレンズの違い
項目 | 単焦点レンズ | ズームレンズ |
---|---|---|
解像力 | 高い(シャープ) | やや低め(設計により差あり) |
F値 | 小さい(F1.4〜F2.8)も可能 | F2.8〜F5.6が一般的 |
歪み | 少ない(設計が単純) | 画角によって歪みやすい |
実用絞り | F4〜F5.6が最もシャープ | F5.6〜F8が無難 |
ただし、実際に使う絞りは、被写体人数・列の深さ・撮影距離・光量によって決まるので、単焦点だからF4、ズームだからF8という単純な差ではありません。
補足:他の設定とのバランスも重要
- ISO:F8〜F11にするとシャッタースピードが遅くなりやすいため、**ISO感度を適宜上げる(例:400〜800)**必要があります。
- シャッタースピード:ブレを防ぐために、最低でも1/100秒以上を確保。
- ストロボ使用時:F8程度が一般的で、光量も確保しやすいです。
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