夏といえば花火。
その美しさを写真に残したいと思ったことはありませんか?
実は、花火撮影は**「基本のテクニックはフィルム時代と同じ」。でも、デジタルになった今だからこそできる画期的な方法**もあるんです。
この記事では、
📸 基本の花火撮影法(フィルム時代からの王道)
💡 デジタルで進化したテクニック(・RAW現像・多重露光)
を両方ご紹介します。
初心者の方からステップアップしたい中級者の方まで、きっと役立つ内容です!
🌙1. 花火写真の「基本」は今も昔も同じ
まず押さえておきたいのは、花火撮影の基本構成です。
📷【使用機材】
- 一眼レフ or ミラーレスカメラ(マニュアル操作ができる機種)
- 三脚(必須)
- レリーズ(またはリモートシャッター)
- 広角〜標準レンズ(画角に余裕を持たせる)
🔧【基本設定】
項目 | 推奨設定 |
---|---|
モード | マニュアル(M)モード |
ISO | 100〜200(低めに) |
絞り(F値) | F8〜F11(やや絞る) |
シャッタースピード | 2〜10秒(花火の動きに応じて調整) |
フォーカス | マニュアルフォーカス(無限遠 or 試し撮りで合わせる) |
ホワイトバランス | オート or 昼光(RAW撮影なら後で調整可能) |
このスタイルはフィルムの時代から変わっていません。
光跡を「長時間露光」で美しく描き出すのが花火撮影の本質です。
📍【撮影場所と準備】
- 早めに場所取り:三脚が使える場所を確保しましょう。
- 風下は避ける:煙が写り込むと台無しになります。
- 背景を意識:地上の風景(街並み、山、建物など)も入れると印象的な写真に。
🎇【撮り方のコツ】
- シャッタータイミング:花火が打ち上がって「開く瞬間」から「消える直前」までを狙ってシャッターを開く。
- 複数の花火を一枚に:シャッターを長め(8秒程度)に開けて、複数の花火を重ねるのも効果的。
- レリーズ活用:ブレ防止のため、レリーズやスマホアプリでシャッターを切る。
🧪【さらにレベルアップしたい場合】
- NDフィルター:明るすぎる場合、NDフィルターで光量を調整。
- バルブモード:自由にシャッター時間をコントロールしたいときに便利。
- RAW撮影:後で露出やホワイトバランスを調整可能。
🎨2. RAW現像で「映える花火」に仕上げよう
花火写真は、撮った後の現像・編集でも差がつきます。
特にRAW撮影をしておけば、色味やコントラストを自在に調整可能。
以下のポイントを押さえておくと、より引き立ちます。
💡使用ソフト例
- Adobe Lightroom / Camera Raw(Photoshop)
- DxO PhotoLab / Luminar Neo などでも可
🪜基本のRAW現像手順(Lightroomベース)
1. 【露出・コントラスト】
- 花火が白飛びしていたら「ハイライト」を下げる
- 花火の線が弱ければ「コントラスト」「明瞭度」「テクスチャ」を上げる
2. 【黒レベル・シャドウ】
- 「黒レベル」を下げて夜空を真っ黒に
- シャドウも少し下げて背景のノイズを抑える
3. 【ホワイトバランス(WB)】
- 暖色寄り(3,000〜4,000K)で花火が映える
→ 青空系のWBだと花火の色が鮮やかに!
4. 【色調整(HSL)】
- 花火の色が濁っていたら、**HSL(色相・彩度・輝度)**で補正
- 例)赤系が飛んでいたら彩度を下げて輝度を上げる、など
5. 【ノイズ処理】
- 長秒露光のノイズは「ノイズ軽減」で対処(特にカラー)
6. 【仕上げ】
- トーンカーブで全体の雰囲気を整え
- 花火の芯が白飛びしていたら「部分補正ブラシ」で露出を下げて救済
✅仕上がりの目安
- 背景は漆黒 or 少し青みのある黒
- 花火は鮮やかで立体的に見える(芯〜外縁のグラデーション)
🎁おまけ:無料でできるRAW現像&合成方法
- RAW現像 → RawTherapee や Darktable
- 合成 → GIMP(「スクリーン」や「加算」モードで比較的似た合成が可能)
🔁3. デジタルでしかできない多重露光合成とは?
フィルム時代は1枚で複数の花火を写す「多重露光」は高等テクニックでした。
しかし、今はデジタル合成でより美しく、より自由に!
🔁 デジタルでの多重露光合成の手順
花火は1回のシャッターで複数の花火を写すと白トビしやすいため、個別に撮った花火を後から合成するのがデジタルならではのベストな方法です。
🧰 用意するもの
- RAW撮影できるカメラ
- Adobe Photoshop(またはGIMPなどのレイヤー合成が可能なソフト)
- 三脚(構図を固定できることが大前提)
🪜手順(Photoshopを例に)
1. 【RAW撮影】で花火1発ずつ撮る
構図を変えず、1〜2発ずつ撮影。煙が少ないものだけ採用します。
2. 【現像してJPEGをPhotoshopで複数枚を開く】
- 全てのデータをPhotoshopに読み込み、「1つのレイヤーとして読み込む」方法は?
ファイル → スクリプト → ファイルをレイヤーとして読み込み
3. 【比較(明)モードで合成】
- レイヤーを上に重ね、**描画モードを「比較(明)」**に変更
→ 明るい部分(=花火)だけが重なります。
4. 【不要な煙・線をレイヤーマスクで除去】
- 各レイヤーにマスクをかけ、煙が多い部分・線が重なる部分を消す
→ 花火の輪郭がスッキリ!
5. 【色調整・最終調整】
- レベル補正、トーンカーブ、彩度などで全体を整える
📌 ポイント:
- 背景が同じなので位置ズレしにくく、自然な合成が可能
- 「花火を選んで重ねる」ので構成力が大幅アップ!
✨この方法なら、構成力のある花火写真が誰でも作れます!
📸4. フィルムの感動を、デジタルで超えていく
昔ながらの手法を尊重しながらも、
**「撮る→選ぶ→組み立てる→仕上げる」**という新しい花火写真の楽しみ方が、デジタルでは実現できます。
▼ デジタルだからできることまとめ
- その場で確認&修正
- 個別花火の合成
- RAW現像で色彩をコントロール
- 動画からの切り出し(8K時代!)
📝まとめ
花火写真は一見難しそうに見えても、
基本のセオリー+デジタルの強みを活かせば、初心者でも驚くほどきれいに撮れます。
特にこれから花火大会が増える夏シーズン、
この記事を参考にぜひ挑戦してみてください!
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