いまや誰もがスマートフォンで写真を撮る時代。ボタンを押すだけで、自動でピントが合い、明るさが調整され、SNSに即アップロードまでできてしまう。そんな便利さの始まりには、一つの革新的なスローガンがあった。
🎯 “You press the button, we do the rest.” — あなたがボタンを押せば、あとは私たちがやります。
これは1888年、コダック社の創業者ジョージ・イーストマンが掲げたキャッチコピーだ。
🎞 写真は専門家だけのものだった
当時、写真撮影はプロの技術者だけが行うものだった。大きな三脚、ガラス板、感光剤、現像液、そして数十分かかる露光時間。写真は「撮る」というよりも「作る」行為に近かった。
しかし、コダックはそれを覆した。最初のKodakカメラはロールフィルムを搭載し、100枚の写真が撮影可能。撮影後は本体ごとコダック社に送れば、現像・焼き付け・プリント・カメラの再装填まで一括して行ってくれる。
つまり、撮影者は「シャッターを押すだけ」でよかったのだ。
👨👩👧👦 誰でも撮れる、それが革命だった

この仕組みは写真の民主化を意味した。女性、子ども、旅行者、学生、あらゆる人が「カメラマン」になった。特別な知識も技術も不要。ただ記録したい瞬間があれば、ボタンを押すだけ。
これにより、写真は記録メディアから、思い出を残すライフスタイルツールへと変化していった。
⚖️ 批判と革新のあいだで
もちろん、この革新には批判もあった。「写真を簡単にすることは、芸術の冒涜だ」とする声もあった。しかし、コダックは言う。
🗣️ “Photography is not only for experts — it belongs to everyone.” — 写真は専門家のものだけでなく、すべての人のものだ。
この思想は、のちの「写ルンです」や「チェキ」、そして現代のスマホカメラにも繋がっていく。
📱 スマホ写真と100年前の哲学
今、私たちが手にするiPhoneやAndroidスマホ。そこに搭載されたカメラは、ボタン一つで瞬間を残す。まさにコダックのスローガンが具現化された姿と言えるだろう。
“You press the button, we do the rest.”
“あなたがボタンを押せば、あとは私たちがやります。”
→ “You tap the screen, AI does the rest.”
“あなたが画面をタップすれば、あとはAIがやります。”
技術は変わっても、哲学は変わっていない。
📉 そして、コダックは道を誤った。
コダックは、かつて世界で最も知られた写真ブランドだった。1980年代まで、フィルム市場で圧倒的なシェアを誇り、「Kodak Moment」という言葉まで生んだ。
しかし、1990年代以降、デジタルの波が押し寄せる。実は世界初のデジタルカメラを発明したのは、コダックの技術者だった。それでも「フィルムが売れなくなる」という理由で商品化されることはなかった。
その間に、CanonやNikon、Sonyがデジタル分野で躍進。
2012年、コダックはついに経営破綻。まるでシャッターが静かに下りるように、長年写真文化を支えた巨人が舞台から姿を消したのだった。
🔁 それでも、残ったもの
現在のコダックは再構築され、医療用機器や産業向け印刷事業を展開する企業へと変化している。カメラ事業は事実上消滅したが、「Kodak」ブランドは今もスマホやプリンタなどにライセンスとして使われている。
さらに、映画界では「コダックのフィルム」がいまだに使用され続けている。『オッペンハイマー』『ラ・ラ・ランド』など、フィルムにこだわる監督たちは、デジタルでは出せないコダック特有の「深みと色彩」を求めているのだ。
写真は技術から感情へ、専門から日常へと進化してきた。もしあなたが今日、スマホで何気なく写真を撮ったのなら、その背後には130年以上前に生まれた一つの発明と、一つの想いがある。
💬 “You press the button, we do the rest.” — あなたがボタンを押せば、あとは私たちがやります。
——コダックの言葉は、今も生きている。

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