Synology（シノロジー）NASを初めて使う方に向けて、IPアドレスの固定方法とWindows・Macでのネットワークドライブ設定方法を丁寧に解説します。
NASを導入したものの、接続が安定しなかったり、毎回IPが変わってしまってアクセスできなくなった経験はありませんか？
そんなときに必要なのが「IPアドレスの固定化」と「ネットワークドライブの設定」です。
IPアドレスの固定方法とWindows・Macでのネットワークドライブ設定方法
✅ なぜIPアドレスを固定化するのか？
理由：
- Synology NASのIPがDHCP（自動）設定のままだと、再起動時にIPが変わることがあります。
- これにより：
- WordPressなどのWebサービスにアクセスできなくなる
- ネットワークドライブの接続が切れる
- ルーターのポートフォワーディング設定が無効になる
▶ 固定化することで、常に同じアドレスでNASにアクセスできるようになります。
🛠 IP固定化のやり方（Synology DSMから）
📌 方法①：DSMで手動IP設定（推奨）
- DSMにログイン（http://nas-ip-address:5000）
- [コントロールパネル] → [ネットワーク] を開く
- [ネットワークインターフェイス]タブで
LANを選択し、[編集] をクリック - [手動で設定] を選択し、以下を入力：
📌 方法②：ルーター側で「DHCP予約」
- ルーターの設定画面にログイン
- NASのMACアドレスに特定のIPを固定割り当てする「DHCPリース予約機能」を使う
（例：MACアドレスAA:BB:CC:11:22:33に 192.168.1.100 を割り当て）
※この方法も有効です。
Synology NASのIPアドレスがわからない場合
Synologyが提供している無料のユーティリティSynology Assistantをダウンロード
手順：
- 以下のURLからSynology Assistantをダウンロード：
👉 https://www.synology.com/ja-jp/support/download
→ お使いのNAS機種を選択 → 「ユーティリティ」タブからダウンロード - インストール後、起動すると同一ネットワーク内にあるNASが自動検出されます
- NAS名・IPアドレスが表示されるので、IPアドレスをブラウザで開く（http://[IP]:5000）
| 項目 | 設定内容（例） |
|---|---|
| IPアドレス | 192.168.1.100（例 ルーター内の空いているIP 100の部分） |
| サブネットマスク | 255.255.255.0（一般的） |
| ゲートウェイ | 例：192.168.1.1（ルーターのIP） |
| DNSサーバー1 （1.2どちらか） | 8.8.8.8（Google Public DNS） |
| DNSサーバー2 （1.2どちらか） | 8.8.4.4（Google Public DNS） |
- 保存して再起動
▶ これでNASのIPは「192.168.1.100」などに固定されます。
🔍 GoogleのパブリックDNS（8.8.8.8 / 8.8.4.4）を設定するとどうなる？
✅ メリット
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ✔ 安定して速い | Googleが運用しており、信頼性・応答速度ともに優秀です |
| ✔ フィルタリングされにくい | 一部のプロバイダのDNSよりも自由度が高く、ブロックや制限が少ない |
| ✔ 世界中で使われている | 多くの企業や個人が使っていて、情報が豊富でトラブル時も対処しやすい |
| ✔ 無料で使える | 誰でも自由に使えます（登録など不要） |
🧠 設定した場合の挙動（例）
Synology NASがウェブアクセスする際：
- NASが「www.synology.comにアクセスしたい」と言う
- 設定したGoogle DNS（8.8.8.8）に問い合わせる
- DNSが「それは IPアドレス xxx.xxx.xxx.xxx だよ」と返す
- NASがそのIPに接続してデータ取得
⚠ 注意点
- 通常、ルーターやプロバイダのDNSでも十分に使えますが、応答が遅かったり不安定な場合はGoogle DNSの方が改善されることがあります。
- 企業や学校などでDNSの制限がある環境では、Google DNSが使えない場合もあります。
💻 WindowsでNASをネットワークドライブに設定する方法
ステップ：
- エクスプローラーを開く
- 左側の「PC」→ 上部タブから「ネットワークドライブの割り当て」をクリック
- ドライブ文字（例：Z:）を選ぶ
- フォルダ欄にNASのアドレスを入力：
コピーする編集する\\192.168.1.100\共有フォルダ名
（例：\192.168.1.100\photos）
- 「別の資格情報で接続する」にチェック → NASのユーザー名とパスワードを入力
- 「完了」をクリック → ドライブとして接続されます
🍎 MacでNASをネットワークドライブとしてマウントする方法
ステップ：
- Finder を開く
- 上部メニュー → [移動] → [サーバへ接続…] を選択
- サーバアドレスに以下を入力：
cppコピーする編集するsmb://192.168.1.100/共有フォルダ名
- [接続]をクリック
- ユーザー名・パスワードを入力（NASのアカウント）
- フォルダがマウントされ、Finderの左側に表示されます
起動時に自動マウントするには：
- [システム設定] → [ユーザとグループ] → [ログイン項目] にNASの接続ボリュームを追加しておく
💡補足：共有フォルダの作成方法（DSM）
DSMで「共有フォルダ（例：share、photos）」が事前に作成されている必要があります。
- DSM → [コントロールパネル] → [共有フォルダ]
- [作成] → フォルダ名を決めてアクセス権限を設定
- アクセス権管理でユーザーやグループに「読み取り/書き込み」許可を設定
まとめ
Synology NASは便利で高機能ですが、IPアドレスが毎回変わってしまうと不便になります。
最初にIPアドレスを固定し、ネットワークドライブとして設定しておくことで、どのPCからでも安定してNASにアクセスできる環境が整います。
Synology NASをもっと活用したい方は、次のステップとして「DockerでのWordPress構築」や「自動バックアップ設定」にも挑戦してみましょう！
この記事は井上写真店 INOUE PHOTO（明石市）が運営しています
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