── 集合写真・イベント撮影の現場から
今のカメラやレンズには、高性能な手ぶれ補正機能が当たり前のように搭載されています。
「三脚なんてもう必要ないんじゃない?」と聞かれることがあります。
でも、私のように学校行事や卒業アルバムの集合写真などを専門に撮っているカメラマンにとって、三脚は今でも**現場で欠かせない“相棒”**です。
その理由は単なる「手ぶれを防ぐため」ではありません。
むしろ、三脚を使うことで得られるのは、**“安心して被写体に集中できる環境”**なのです。
📌 現場で三脚を使うリアルな理由
✅ ポートレート撮影で「会話」に集中するため
- 被写体とリラックスした会話をしながら、自然な表情を引き出すには、カメラ操作に集中しすぎない環境づくりが重要です。
- 三脚にカメラを固定しておくことで、撮影者はファインダー越しではなく直接相手の目を見て会話できるため、より自然で柔らかい表情を引き出せます。
- 撮影中のわずかなタイミングで「今だ!」という瞬間にシャッターを切れるのも、構図を固定しているからこそできることです。
✅ 集合写真で全員の表情をチェックするため
集合写真は、数十人単位の被写体を同時に撮影します。
ファインダーや背面モニターをのぞいていても、一瞬で全員の顔を確認することは不可能です。
誰かが目をつぶっていたり、よそ見していたり、髪が乱れていたり……。
カメラを構えたままだと気付けないミスが、三脚を使うことで顔を上げて“直接目で”確認できるようになります。
声をかけたり位置を調整したり、タイミングを合わせたり。
撮影者として本当にやるべき仕事に集中できるのです。
✅ 望遠レンズを構え続けるのは、シンプルに疲れる
例えばステージ発表など、遠くから子どもたちの表情を狙う場面では、望遠レンズが活躍します。
でも、200mmやそれ以上のレンズを長時間構え続けるのは、体にかなり負担がかかります。
手がプルプルしてきたり、集中力が切れてしまっては、いざという瞬間を逃す可能性も。
三脚に据えておけば、構図を決めたまま、あとは「シャッターチャンス」を待つだけ。
“狙って待てる”環境があるからこそ、ベストな瞬間が切り取れるのです。
✅ 自由に動きながら、構図はピタッと固定できる
連続で同じ構図の写真を撮りたいときや、後から比較・選別をしやすくしたいときにも三脚は有効です。
自由に動きながら、構図はピタッと固定できる
集合写真や記念撮影では、撮影者があちこち動く必要があります。
でも構図は毎回ピタッと決めたい──そのために三脚があるのです。
毎回違う構図になっていては、見た目に不揃いな印象を与えてしまいます。
三脚を使えば、1カットごとに“狙い通りの構図”を再現できます。
📌 三脚を使うべき主な理由(ジャンル問わず)
私のような人物撮影の現場だけでなく、写真ジャンル全般において、三脚が必要とされる理由もあります。
1. 完全な静止が必要な長時間露光
- 夜景、星景、花火、水の流れなど、シャッター速度が数秒〜数分に及ぶ撮影では、手ぶれ補正では不十分。
- 微細な振動も写りに影響するため、**三脚とレリーズ(またはセルフタイマー)**が必須です。
2. 構図を厳密にキープしたいとき
- 風景や建築、HDR合成やパノラマ撮影では、カメラ位置のズレは命取り。
- 手持ちではミリ単位のズレが出てしまうため、三脚での固定が信頼性を高めます。
3. 低ISO&高画質を維持するため
- 室内や暗所で高画質を求めるなら、ISO感度はなるべく下げたい。
- シャッタースピードを遅くしても、三脚があればブレなく撮影可能。
4. 構図をじっくり練るため
- 商業撮影や作品制作では、被写体と丁寧に向き合いたい。
- 三脚を据えることで、カメラに気を取られず、表現に集中できます。
5. 連続撮影・インターバル撮影・動画にも有利
- タイムラプスや定点観測など、完全に同じ構図での撮影には三脚が必須。
- 動画でもパンやチルトが滑らかになり、プロらしい映像表現が可能です。
6. 望遠レンズ使用時の安定性
- 焦点距離が長くなると、わずかなブレが拡大して写ります。
- 手ぶれ補正では限界があり、三脚による安定性が決め手になります。
✅ 三脚は「ブレを防ぐ道具」ではなく「現場力を支える道具」
手ぶれ補正がどれだけ進化しても、三脚には別の役割があります。
- 自分の目で全体を確認できる
- 撮影姿勢がラクになることで、集中力が持続する
- 声かけやタイミング合わせに専念できる
- 狙った構図をブレなく再現できる
これらはすべて、**手持ちではカバーできない“現場の強み”**です。
カメラの進化が進んでも、三脚の価値はむしろ高まっていると感じます。
特に「人を撮る仕事」では、シャッターを押すまでにやるべきことが山ほどあるのです。
だからこそ、三脚を使うことで自分の意識を「構図やブレ」から解放し、“撮ること以外”に集中することができる。
手ぶれ補正があっても、三脚は手放せません。
それは、写真のクオリティだけでなく、撮る側の安心感と信頼感を支えてくれる道具だからです。

この記事は井上写真店 INOUE PHOTO(明石市)が運営しています
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