〜それ、シアンとイエローに見えるけど実は違うんです〜
「ケルビン」って、どんな色?
写真をしていると必ず出てくる言葉、「ケルビン」。
これは**色温度(Color Temperature)**というもので、光の「色味」を数値で表す単位です。
でも、ホワイトバランスをいじっていると…こう思う人も多いのでは?
「これって、シアンとイエローの調整になってない?」
実はこれ、半分正解、でも半分まちがいなんです。
第1章:ケルビンとは「光の温度」の話
ケルビン(K)は、光源の色温度を表します。
- 2500K:白熱電球のような赤〜オレンジっぽい光(暖色)
- 5500K:昼の太陽光(ニュートラル)
- 8000K:曇り空や日陰のような青っぽい光(寒色)
これを写真で調整することで、白いものを白く見せるようにします(ホワイトバランス)。
第2章:「青くする」「黄っぽくする」は何色の戦い?
では、この「青っぽい」「黄っぽい」というのは何を指しているのでしょう?
| 高ケルビン(寒色)| 青、シアン、水色に近い |
| 低ケルビン(暖色)| 黄、オレンジ、赤に近い |
→ これを見ると、「あれ?シアンとイエローっぽく見える…」と感じるのも当然です。
でも!
第3章:RGBとCMY、そして「錯覚」のトリック
ここで少し仕組みを整理しましょう。
🔷 RGB(光の三原色)
- Red(赤)、Green(緑)、Blue(青)
- モニターやカメラはこの仕組みで表示
🔶 CMY(印刷の三原色)
- Cyan(青緑)、Magenta(赤紫)、Yellow(黄色)
- プリントやインクジェットはこちらの世界
そして、CMYはRGBから引き算でできています。
| RGBの「赤」を引く → シアン
| 「緑」を引く → マゼンタ
| 「青」を引く → イエロー
第4章:「ケルビン=シアンとイエロー」に見える理由
写真のホワイトバランスを調整するとき、
青っぽくする(高ケルビン)と背景が水色やシアンっぽく見えます。
逆に、黄っぽくする(低ケルビン)とイエロー寄りに見えます。
でもこれは、RGBの光の割合の変化であって、
印刷インクのシアンやイエローを混ぜているわけではありません。
📌つまり:
- ケルビン補正は「青↔オレンジ」の軸
- CMYの「シアン↔イエロー」とは関係ない
- でも「見た目」が似ているから混同しやすい
第5章:Capture OneやLightroomで迷わないために
どの現像ソフトでも、ホワイトバランス調整には2つの軸があります。
スライダー名 | 調整する色味 | 調整軸 |
---|---|---|
色温度(Temp) | 青 ↔ 黄・オレンジ | ケルビン(Kelvin) |
色かぶり(Tint) | 緑 ↔ マゼンタ | グリーン・マゼンタ軸 |
🧭 Capture One の場合:
- 色温度 → ケルビン数値で指定(2500〜10000Kなど)
- Tint → -100(グリーン寄り)〜 +100(マゼンタ寄り)
色温度を上げたときの青→シアンに見える現象はあくまで視覚の錯覚。
グリーンやマゼンタと同様に、「補色が見えるように感じる」だけなんですね。
「色の正体」を知ると、写真がもっと楽しくなる
写真の世界では、見た目と物理の世界がズレることがよくあります。
ケルビンもそのひとつ。「青く見える=シアン」ではないけれど、そう見えるように人間の目が感じてしまう。
でも、そのズレを知っていると、写真の補正も、色作りも、もっと思い通りに操れるようになるんです。
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